2011年2月17日木曜日

ウレタンクリアについて考える その1

模型店でウレタンクリアが販売されていることもあり、すでにお使いのユーザーも多いと思います。
ウレタンクリアはアクリルラッカーのクリアと比べると良好な光沢が得られ、厚く強固な塗面が得られるのが魅力です。反面ウレタンクリアの主剤と硬化剤が反応し生成されるイソシアネートと言われる有害な物質で健康を害する恐れがあり取り扱いに十分な配慮が必要になります。

塗装の際には、有機溶剤用の防毒マスクに吸収缶を装着し塗装ブース(強制換気)でイソシアネートを吸引しないようにしましょう。

吸収缶に対応するガスによっていくつかの種類があるようです。こちらは有機ガス用のものです。他には亜硫酸ガス、アンモニア、一酸化炭素用などがありました。

吸収缶のラベルに使用時間を記入しておくと耐用時間を知るのに便利です。
このメーカーの品は耐用時間がラベルに破過曲線図として載っていました。


それでは、話は長くなりますが、失敗談を含めて今まで使用したウレタンクリアについての私的な感想を交え、自分への覚えの意味も含め綴っていきます。

現在までウレタンクリアは「フィニッシャーズのGP1」「精密屋のウレタンクリア」「ロックペイントのマルチトップクリヤーSH」と使ってきました。

「フィニッシャーズのGP1」は、説明書によるとシンナーは40パーセントがリミットとありますが、40パーセントのシンナー希釈でも粘度が高くエアブラシで吹きにくい印象、しかも乾燥は非常に遅いため、塗装後はホコリが付着しないように配慮しなくてはいけないと私の中では非常に敷居の高いウレタンクリアの印象がありました。


説明書によるとシンナーによる希釈がより少ないほうが光沢、乾燥時間が良好になるとあります。原液を3気圧以上のガンで吹きつけるとよいとも説明されています。エアーガンは持ち合わせがないのでエアテックスのエボリューションをノズルベースセットでニードルを0.6ミリに変えトライします。

原液はやっぱり無理です・・・。
ウレタンクリアが蜘蛛の糸になってエアブラシの先から放出されます。しばらくするとノズルが詰まって、どうにもならなくなりました・・・。

次に希釈の限界値の40パーセントのシンナーで吹きつけます。圧力もコンプレッサーの最高値を使用しました。

何やら吹き付けた反対側は白い結晶のようなものが付着し、その結晶を消すためにウレタンクリアを吹きつけると反対側がまた同じく白い結晶のようなものが付着し、永遠のスパイラルに巻き込まれていきます。
ネットで検索すると白い結晶はシンナーを吹きつけると消えるとのこと・・・早速試します。たしかに消えますが、今度は表面が垂れてきます。

希釈度を50パーセント以上すれば、楽に吹けるもののゆず肌になり、イレギュラーながら硬化剤を通常の1割から3割まで増量するとたしかに50パーセント以上の希釈をしてもゆず肌にはなりませんでした。しかし、この方法はあくまでもイレギュラーであり、ウレタンクリア主剤を使い切る前に硬化剤がなくなります。

結局2セット目を購入しあれこれと模索するも成功せず・・・心が折れてしまいました。
「フィニッシャーズのGP1」って相当難物の印象を受けますが、誤解なく・・・ちゃんと使いこなせていらっしゃる方もネットでたくさんお見受けしました。私が使いこなせなかっただけだと思います。


ウレタンクリアにトラウマになりかけたそんな時に偶然模型店で出会った「精密屋のウレタンクリア」これがダメなら永遠にウレタンクリアを使うことを封印しようと決心し試し吹き。
主剤の粘度は最初っからシャビシャビ・・・硬化剤を添加しても特に粘度が高まることもなく、このままシンナーによる希釈なしでも吹けそうです。
念のために10パーセント程度で希釈します。使い心地は大変よく、感覚的にはオートクリアやスーパークリアーとほとんど同じ。
つまり、アクリルラッカーと同じように使えました。
硬化時間も「フィニッシャーズのGP1」と比べればかなり早く硬化します。

とても好印象でいままでのウレタンクリアの呪いから開放されました。


でも・・・・いいことばかりではありません。この「精密屋のウレタンクリア」は乾燥後しばらくするとアクリルラッカーと同じようにヒケるのです。硬化後にヒケるのは精密屋のホームページには書いてありません。

でも確かにヒケるのです。それも乾燥後しばらくして・・・。デカールをクリアコートしようとする場合は、アクリルラッカーと同じで乾燥後もしばらく養生しておく必要があるようです。

ウレタンクリアは硬化剤に反応して化学変化による硬化をするからヒケないと聞いていたのですが、ヒケるのです。
もともとシンナー分が多くシャビシャビ然としていたのでしょうか(精密屋のホームページでは、「塗料メーカーとのコラボレーションでスケールモデル専用にスペシャルブレンド」)・・・・。シンナーが揮発してヒケると考えれば辻褄があうのですが、あくまで仮定ですので念のため・・・。
 
 

4 件のコメント:

  1. こんにちは。
    BMに所属してますヒロシと申します。

    私もウレタンクリアは最初GP1を使っていましたが、同じような症状でかなり苦労しました。
    特にボディが複雑な形状の場合はループに陥りやすいですね。
    またある程度の期間で使い切らないと主剤が黄変してしまいます。まあこれは他のウレタンでも同じかもしれませんが。

    なので私も最近精密屋に変えましたが、仰るとおりヒケてきます。
    大体1ヶ月は様子を見ないといけないみたいです。
    ウレタンに拘らなければ、私の場合ガイアのEXクリアが好印象で、あまりヒケないし乾燥後の艶もいいです。ただ硬いのが難点ですかね。
    まあ、どれも一長一短ですね。

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  2. 仕上げのクリアー塗装は難しいですね。

    私は普段はガイアのEXクリアを使っていますが、
    真剣にデカールの段差を無くしたいときには
    《ALESCOのレタンPG何とか?》を使ってます。
    正式名が判らないのは友人の板金工場からの頂き物なので、
    品名まで尋ねてないからです(自爆)

    ウレタンじゃないですが使い辛かったのは、《モデラーズのスーパークリアー》ですね。
    いつになってもしまらない(硬化しない)ので、
    研ぎ出しまでの待ち時間が掛かるのが難点でした。

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  3. ヒロシさん
    アクリルラッカーのクリアと全く勝手が違うのがフィニッシャーズのウレタンクリアかなと思ったりします。重ね塗りは24時間以内でという注意も短時間の塗りで仕上げなければいけないという、非常にプレッシャーであったりします。(この注意書きがあるのは、フィニッシャーズだけのような気がします。)

    ガイアのクリアは、ウレタンクリア吹きの前のデカール馴染ませ吹きで小生も使っております。乾燥も早いですし、乾燥後の塗面の硬さもグッドです。そうそう、小生の場合は塗面は固い方が好きです。

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  4. おーにーまんさん

    ALESCOからもたくさんのウレタンクリアがラインナップされているようですね。使い心地はどうですか?

    小生は使ったことがないので、よくわかりませんがモデラーズの塗料って大きな瓶でお得な感じがしますね。でも、おっしゃるように乾燥が遅いのは困りものかな。
    クレオスのGXスーパークリアー3もかなり乾燥が遅く感じますが、それよりももっと乾燥に時間がかかるのでしょうか?

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