2011年6月19日日曜日

Windows7 64ビット版でMD-5500(アルプス社製プリンター) を使えるようにする その3

あれやこれやとスクリーンキャプチャーを多用しご覧頂いた記事も今回で完結とします。

ここまでのおさらいとして、Windows7Home Premium 64ビット版 を上位グレードにアップグレードしました。その後、アップグレードしたWindows7 64ビット版にWindowsXPの仮想パソコンを構築するために Windows Virtual PC をインストールして、Windows Virtual PC に WindowsXP をインストールしました。この WindowsXP は Windows7のホストに対してゲストになります。
仮想パソコンであり、基本的にはホストの Windows7 にインストールされているソフトや設定は全く及ばないものです。ですから、windowsのアップデート(特にセキュリティ関連等)やウイルス対策ソフトは、Windows7のホストとWindowsXPのゲストそれぞれに配慮する必要がでてきます。

ウイスル対策ソフトはメインのパソコンには誰しもインストールしていると思いますが、仮想パソコンの2台目にはライセンスの関係でインストールできないこともあります。もちろん、新しくウイルス対策ソフトのライセンスを購入することがいいと思いますが、常時ゲスト側を使わないようであれば、フリーのウイルス対策ソフトを使うのもいいかもしれません。今まで試したもので、良好と思われるソフト2題ご紹介します。

マイクロソフト製の無料アンチウイルスソフト「Security Essentials」http://www.microsoft.com/ja-jp/security_essentials/default.aspx

※ WindowsXP では、windows update を行っていないと上記リンク先にアクセスすると下記のようなエラーが出ます。
違法にインストールされたwindowsXP(違法にインストールした場合多くはwindows update ができません)に対しての警告なのかもしれませんが、エラーの状況があっさりし過ぎてユーザーには非常に分かりづらいです。
正規ユーザーでも windows update を失念していたり、windows update を望まない人もいるでしょうから、違法と正規のユーザーへの対応を分けていただくとありがたく思います。

もうひとつは
KINGSOFT製の無料のセキュリティ統合ソフト「Kingsoft Internet Security 2011」http://www.kingsoft.jp/is/download/

無料版と有料版がありますが、違いはアップデートの際に広告を表示するかしないかの違いのようです。

それでは、windowsXPの仮想パソコンにセキュリティ関連はクリアしたという前提で進めていきます。

まずはアルプスのHP
http://www.alps.co.jp/brand/printer/drive/driver.htm
にアクセスしプリンタードライバーをダウンロードします。

Ver.2.3.2 には不具合がありMD-5500をUSBで接続時、プリンターに送られた印刷データ(プリントジョブ)を保持したまま停止してしまうことがありますが、「リボン情報」を表示したまま印刷を行うと、この不具合はほとんど回避できました。

対策用のVer.2.3.3A1ベータドライバが存在するようですが、アルプス電気のホームページではもちろん公開されていません。
アルプス電気のカスタマーサポートセンターへ問い合わせる事で入手できると言われていますが、MD-5500の販売も終了しマイクロドライプリンから撤退した現在ではカスタマーから入手できるかは不明です。


Windows Virtual PC 上でのWindowsXPモードではUSBの機器を認識しますが、デフォルトの状態では起動毎に「接続」の操作が必要になります。
プリンタをUSBポートに接続し、プリンタの電源を入れておきます。


Plug and Play機能により「新しいハードウェアの検索ウィザード」が起動します。


画面と相違となりますが、ここは「いいえ、今回は接続しません」を選択します。


「一覧または特定の場所からインストールする」を選択し、「次へ」をクリックします。


「検索とインストールのオプションを選んでください」で「次の場所で最適のドライバを検索する」を選択し、「次の場所を含める」をチェックします。
解凍されたフォルダ「MXP232W」 - 「DRVW2K」を選択します。
最後に「OK」をクリックします。


Windows XPとの互換性を検証するWindowsロゴテストに合格していません と注意をうけますが、ここは「続行」を選択します・


この部分の説明は不要でしょう・・・。じっと左から右へ文書が移動するシーンを眺めていましょう。


インストールが完了しました。


印刷設定から詳細情報を選択し「リボン情報」を更新しました。
無事にリボン情報が取得できたので設定は正常にできたことがわかります。

それではまとめとして・・・
Windows7Home Premium 64ビット版ではMD-5500(アルプス社製プリンター)は動作しませんが、Windows7 Professional 64ビット版から上位のバージョンを選択すれば、WindowsXPモードを使用して仮想パソコンからプリンターを使うことが可能になります。(厳密に言えばWindows7Home Premium 64ビット版にWindows Virtual PC をインストールして、ライセンを持っているWindowsXPをインストールすれば同様にはなります。手間はかかりますが、手段としてはありますので、機会があれば、こちらで紹介したいと思います。)

MD-5500に限らず、プリンタードライバーのバージョンアップが行われなくなりWindows7に未対応の古いプリンターでもWindowsXPモードで使用することにより高い確率でプリンターを正常に使用することができるようになります。 

Windows7 32ビット版では、マイクロソフトの標準プリンタードライバーを削除して、MD-5500(アルプス社製)のプリンタードライバーに更新することにより容易に利用が可能になりますが、32ビット版では物理メモリ4GB上限の壁によりメモリーのやり繰りに苦慮することが予想されるで、これからパソコンを購入または更新される方は64ビット版を選択された方がよろしいかと思います。

最後に冒頭にも書きましたが、プリンタードライバーVer.2.3.2 の不具合によるプリントフリーズ時の対応策として・・・

「コントロールパネル」→「パフォーマンスとメンテナンス」→「管理ツール」→「サービス」→「プリントスプーラー」(プロパティから停止)


「マイコンピューター」→「WINDOWS」→「SYSTEM32」→「pool」→「PEINTERS」

「PEINTERS」のフォルダー内には普通であればファイルはありません。異常な状態でプリンターが停止している場合は、ここにプリントスプールのデータが取り残されています。ファイルがあった場合は迷わず削除します。

その後パソコンの再起動を行います。


続いて動作の安定化を図ります。この設定は一度行えば以後設定を行う必要はありません。
「ALPS MD-5500 のプロパテイ」→「詳細設定」→「全ページ分のデータをスプールしてから、印刷データをプリンターに送る」にチェック


「プリントプロセッサーを開く」→「規定のデータ型」形式を「PMJOURNAL」に変更します。
この設定は、MD-5500の内部動作に使用している言語がPMJOURNALなので、内部で変換の必要がないことから印刷データの受け渡しが効率化されることとなります。

ずいぶんと長い記事になりましたが、少しでもお役に立てれば幸いです。この他に便利な方法がありましたら、コメントいただけると助かります。
 
 

2011年6月13日月曜日

Windows7 64ビット版でMD-5500(アルプス社製プリンター) を使えるようにする その2

続いてwindowsXPモードにするために必要なソフトをインストールします。パワーユーザーの方でしたらご存知かと思いますが、つい最近までWindows XP モードの利用は、パソコンのCPUがIntel VTやAMD-Vといった仮想化支援機能をサポートしていることが前提となっていました。
ところが、3月17日にマイクロソフト社が公開したwindows7用の更新プログラムによりCPUの縛りがなくなることとなりました。

ただし、想像するに仮想化支援機能のないCPUだと負荷により動作が緩慢になりそうな気はします。




http://www.microsoft.com/japan/windows/virtual-pc/ にアクセスします。
「Windows XP Mode とWindows Virtual PC を今すぐ入手」を選択します。 


「Windows XP Mode 」、「Windows Virtual PC」、「Winodows XP Mode update」の順番でインストールします。


約600MBのファイルをダンロードします。







Windows XP モードのインストールが完了しました。「セットアップの完了」とのメッセージがありますが、このあと「Windows Virtual PC」のインストール後にも「Windows XP Modeのセットアップ」画面があるので、本当にこの段階が「セットアップの完了」と言ってよいのか釈然としないのですが・・・。


「Windows Virtual PC」をインストールします。
 (64bit版の場合)Windows6.1-KB958559-x64 というファイルがダウンロードされますのでダブルクリックして実行します。

 「次の Windows ソフトウェア更新プログラムをインストールしますか?」「Windows 用更新プログラム (KB958559)」と表示されるので[はい]をクリックします。

 ライセンス条項をしっかり読んだら[同意します]をクリック。

 インストール終了後、パソコンの再起動を促されるので「今すぐ再起動」をクリックしパソコンを再起動させます。
これで「Windows Virtual PC」のインストールは完了しました。

~この部分は画面のキャプチャを失念して画像がありませんでした。


Windows XP Modeのセットアップを行います。
スタートメニューから「Windows XP Mode」を選択し実行します。


ライセンスに同意します。


ユーザー名は「XPMUser」の決め打ちです。ログインパスワードを決めます。


自動更新は選択しないか、するかはお好みしだいで・・・。









次回は仮想マシーンに「Micro DryTM プリンタドライバ Ver.2.3.2 for Windows 2000/XP」をインストールして印刷可能な状態にします。
だんだん模型ブログと程遠い話題に傾きつつありますが、今しばらくお付き合いをお願いします。
 
 

2011年6月8日水曜日

Windows7 64ビット版でMD-5500(アルプス社製プリンター) を使えるようにする その1

唐突ですが、当ブログのアクセスログを見ていますと、グーグルやyahoo!と言った検索エンジンやリンクいただいているサイトからのアクセスによらず、ダイレクトに当拙作ブログにアクセスいただける方がたくさんいらっしゃる事がわかり、ブログ更新が自分覚えと言いつつも、他の方から決め打ちのアクセスいただけることは、密かに更新の励みになっています。
不定期更新のため巡回しにくいとは思いますが、ご訪問いただけることに感謝します。

さて、昨年の暮れにパソコンの電源が突然昇天し、それまでもマザーボードの発煙により2回もリコール交換し、ハードディスク自体は異常がないのにwindows vistaが度々システムエラーを出すなどのトラブルに嫌気がさし急遽新パソコンを購入(現用のパソコン)しました。
これらのトラブルを踏まえ、新パソコンはメモリーを無駄食いしないwindows7でしかも、物理メモリー4GB以上を認識する64ビット版を選びました。
windows7には「Home Premium、Professional、Ultimate」と3つのエディションがあるのですが、特に拘ることなく一般的なHome Premiumを選択

月日が流れ(それほど大げさなものではありませんが・・・)デカールを自作しなければならなくなったのですが、あれれ・・・アルプス社製のプリンター(MD-5500)のドライバーがインストール自体できません。OSからは不明なデバイスと認識はされているようですが・・・。
ネットで調べるとアルプス社製のプリンターに限らず32ビット用のプリンタードライバーはほぼ全滅で、32ビットのソフト活かすための互換モードも32ビットのプリンタードライバーは救済されないとのこと・・・。

32ビットのプリンタードライバーを使うためにはWindows7上でXPモードという仮想パソコンとして実行すればよいとあります。ところが、Windows7Home Premium 64ビット版ではこのXPモードは使えません。(正確にはwindowsXPのOSを持っている場合は可能です。)
windows2000からvistaに移行したので、ここはスマートに上位エディションへのアップグレードを行う Windows Anytime Upgrade を使い「Windows 7 Professional」へアップグレードします。

パッケージ版およびダウンロード版がありますが、なぜかパッケージ版の方が安く購入できます。アマゾンでポチッてきました。
ただ、パッケージと言ってもCDやDVDは入っていません。プロダクトキーの書かれた紙が入っているだけです。


スタートメニューより「Windows Anytime Upgrade」を選択します。


オンラインでプロダクトキーを購入するか、パッケージ版に記されているプロダクトキーを入力するかを尋ねられます。事前にパッケージ版を用意してありましたので、アップグレードキーの入力を選択します。


アップグレードキーを入力するように尋ねられますが、パッケージ版の中にはプロダクトキーと書いてありますので、ここに限りアップグレードキーとプロダクトキーとは同じと理解します。
アップグレードキーとの表現は、windowsのプロダクトキーとの混同を避けるための説明と思いますが、それだったらアップグレードキーで統一した方が混同しないのではと思います。


「同意します」を選びます。この期に及んでキャンセルする人はいないと思いますが・・・。


「アップグレード」を選びます。この期に及んで・・・いや、なんでもありません。


しばらく放置しておくとインストールは完了します。
これでまずWindows7がProfessional になりました。

長くなったので続きます・・・。
 
 

2011年5月28日土曜日

マックスディテール(双眼メガネルーペ)

久しぶりの更新となります。私事ではありますが、ゴールデンウィーク中は模型の製作に関して、ツール、マテリアルを使いじっくりと色々な実験ができました。
時間がゆったり使えるのは心に余裕ができてとてもいいことだと思った次第です。

ただ、あれも、これも、と幅を広げてしまい未だ収拾がつかずないのは想定外でした・・・。そんな実験の結果はいずれまた自分覚えとして、こちらに記していきたいと思います。

さて、ルーペの話。
視力が落ちてきてメガネをかけるほどでも無いのですが、なんだか手元が心許ないこともあり以前よりヘッドルーペを使っていました。
ヘッドルーペは倍率を上げるほど、対物間とルーペの距離が縮まり、何かと作業をし難く感じていたところ、このようなモノを他のブログで見つけ早速購入しました。

結構変わった形です。以前他の方のブログで拝見したのはツルの部分が黒いものでしたが、この写真のものは改良された後継機種にあたるものでした。


こんな収納用のハードケースが付属しています。


レンズの横に視度調節をするダイヤルがあります。
マニュアルによると近視や遠視が方がよく見える位置になるよう調整する機能のようです。使ってみるとこれが中々便利な機能だったりします。


倍率は固定の2倍で対物距離は40センチ前後とマニュアルにありますが、視度調節ダイヤルと組み合わせると20センチ前後までピントがあいました。

前後の調節はこれぐらいできます。左右は別々に調節可能です。



購入時にはツルの部分はまっすぐな形状なので下を向くとズリ落ちることがあり、非常に使いにくさを感じていました。ツルの部分が黒い前のバージョンの時は耳掛けが付いていたのに単価を下げるために省略されてしまったのかと思いましたが、よくよく調べると白いツルの部分は曲げることができるように改変されていたことを知り、実際にやってみました。

曲げられるとは言え、見た感じも触った感じもプラッチックの風合いそのもの・・・少しの力では元々の反発力で形状が変わりません。強くじっくりと力をかけていくと曲がっていきますが、正直いつ破断してしまうか恐る恐るでやりました。あとどれだけ曲げられるのかわからないのは非常に怖いです。

耳に当たる部分はこれぐらい曲げて、内側にも多少曲げてベストポジションとなりました。

それではまとめとして・・・雑感を綴ります。

良い点・・・
塗装するときに見逃してしまいがちなホコリは対物距離が広く取れるこのルーペを使えば瞬時にホコリの付着が確認できるので、ホコリを塗装の中に閉じ込めずに済みます。

対物距離がとれるので、作業するときに姿勢が猫背にならなくて済みますので、腰の負担も少なくなります。

日本向けには鼻の受けの部分がフイットするようにシリコン製の鼻パットが付属しています。

他の双眼ルーペとは一線を貸す形状・・・マニア心をくすぐるかも・・・。


イマイチの点・・・
慣れかもしれませんが、手と目の距離が離れていると作業がしにくい場合があり、ヘッドルーペを使いルーペと対物の距離を近づける方が作業がしやすいことがありました。ルーペと対物の距離が離せることは優位である反面、目線と手の距離が遠いと距離感が分かりにくいのも感じました。

焦点距離が固定されるので、それ以外の場所へ視点を移したいときには外すことになりますが、外したものの置き場に困ります。構造的にヘッドルーペのように跳ね上げ式は無理でしょうから、せめてネックストラップぐらい付属していた方がよいかもしれません。

ヘッドルーペに比べて視界は狭いです。広い部分を見るには首を使って視点を動かさなくてはいけません。


最後に・・・
ヘッドルーペに代わり置き換えることは今のところ難しいと感じました。視点を変えるときに外したマックスディテール(双眼メガネルーペ)を首から下げられるようにネックストラップを購入するつもりです。これで作業中の置き場に困るのが解消できそうです。

双眼メガネルーペもヘッドルーペもそれぞれ一長一短がありますので、適材適所ということで活用するのがよいと思いました。
 
 
 

2011年4月30日土曜日

フジミ ポルシェ911GT3R「初音ミク X GSRポルシェ」 Type B 製作記 その5

ゴールデンウィーク到来。休みをうまく繋いでいくとずいぶんと長い休みになり、色々な計画をお持ちの方も多いのではと思います。
私の計画は模型三昧ぐらいで大きな計画はありませんが、じっくりと時間をかけて塗装やマテリアルを使った実験をしたいと考えています。

さて、唐突ですがミクポルシェの方は進んでいません・・・。
タイヤの側面に書いてある「HANKOOK」のロゴを塗装で入れたくて手間をかけています。
データはリンクさせていただいている hal​tic​a さんのこちらにあり、ありがたく活用させていただいているわけですが、アルプスのMD-5500で作ったタイヤデカールで、仕上げにセミグロスクリアをコートして違和感なくできるのか不明なので、「CADILLAC ESCALADE」以来2度目となるエッチングでタイヤテンプレートに挑戦してみました。

今回も「F式」で進めます。

データはイラストレーターで作成しています。
今回はなるべく腐食する部分を少なくしてエッチングする時間を短くするようにしてみました。白い部分が腐食する部分ですので、この部分を極力少なくしています。
両面を同時に腐食させますので、二つの画像があります。余白にトンボを入れておくと位置合わせが楽になります。

細かい手順は、当方の拙作ブログにありますので重複する部分は割愛します。


前回は保温用のヒーターを直接エッチング液の中に入れて温度を保ちましたが、片付けの時に汚れるので、今回は保温用のヒーターで水を温め湯煎を行いエッチング液が40度から45度の温度になるようにしました。


0.1ミリの洋白版で作りましたので、5分程度で完成しました。
光に透かすと黒で遮蔽しなかった部分が溶けているのがわかります。
黄土色のような文字の部分は片面だけのエッチングで貫通していません。


エッチングが終了したら、重曹水に付けます。エッチング液(塩化第二鉄)と重曹(炭酸水素ナトリウム)が反応して泡がでてきます。
泡がでなくなったら水で洗浄し完了です。


タイヤの前後の径が違うので2種類作ってあります。
フロントタイヤ用のステンシルは、真ん中にある文字の部分がうまく転写できていません。
トナーがうまく転写できなかったか、台紙として使ったインクジェット用の紙が盤面に残ってエッチングができなかったのかと思います。
エッチング時間が短いのですが、トナーを載せた黒い部分が不均一だったことで一部表面が侵食され荒れている部分があります。
まだまだ、納得したものができませんので、さらに挑戦していきたいと思います。